概要


machine セラミックロータリーフィルターは、フィルターとして超微細孔を有するディスクタイプのセラミックフィルターを採用し、 精密ろ過(MF)をはじめ、5 nmのナノ粒子の限外ろ過(UF)・濃縮を可能としています。

フィルターディスクが高速(~700rpm:ラボ機)で回転することで、内部に高速な渦流が生じ、固形物の堆積を防ぎ、ろ過速度を維持します。

1台で全自動でろ過・洗浄・混合でき、コンタミや工程間の手間を削減できます。

ワインやジュースのろ過・濃縮といった食品用途をはじめ、有機溶剤にも対応するため、溶媒置換やナノスラリーの洗浄、ダイアフィルトレーション、高分子の除去といった化学プロセスにも最適です。

用途例

wine
飲料のろ過
ワイン、ジュース、ビール

chemical
溶媒置換
メタノール、IPA、ヘキサンなど

wastewater
廃液処理
塗料、染料、メッキ
slurry
ナノスラリーの洗浄
金属酸化物、無機物

メカニズム



セラミックディスク


discmechanism
disccut
セラミックディスクの内部構造(イメージ)

ディスク表面全体に施された多孔質のセラミック層によりろ過を行い、最小5nmのナノ粒子を捕捉します。
完全表面捕集のため、ろ過助剤によるプリコートは不要です。

フィルターの回転と、その遠心力により生じる外向きの流れにより、クロスフロー効果が得られます。
加えて、自動制御可能な逆洗浄機能も備えており、これによりフィルターの目詰まりを防止し、安定したろ過速度を維持することが可能です。


システム全体


フロー図
①タンクに入った溶液が、ポンプによってセラミックロータリーフィルターに供給されます。

②供給された溶液は、セラミックフィルターの表面でろ過されます。
ろ液はセラミックフィルター内部に彫られた溝を通り、フィルター中央の中空シャフトより排出されます。

③残溶液(濃縮液)は、再び供給タンクに送られます。

④供給タンクにて攪拌されます。

①から④を繰り返すことでろ過・濃縮が進行します。

特徴



ディスクの回転による強力なクロスフロー効果

回転で得られるクロスフロー効果により、ディスク表面に堆積しようとする粒子を連続的に除去・排出し続けられます。
その結果フィルターの閉塞が防止され、連続的なろ過が可能になるだけでなく、通常のろ過方法では連続処理が難しい「高粘度」「高濃度」の材料にも対応することが可能です。


運転の省力化

ディスクの回転によりクロスフロー効果を得る構造の為、高流速のポンプが不要となり、ランニングコストを抑えられます。
また、洗浄液の供給やろ過圧の調整、定期的な逆洗浄実施など、ほとんどの運転操作を完全自動化する事も可能です。


高いメンテナンス性・洗浄性

セラミックロータリーフィルターの本体はステンレス製で、お客様にて分解洗浄が可能です。
また、水や溶剤、洗浄剤を流すことで、非分解での洗浄(CIP、定置洗浄)や滅菌(SIP、定置滅菌)も可能です。
加えて、セラミックディスクは熱に強い為、高温蒸気を流しての蒸気滅菌や、分解したディスクを加熱して有機物を飛ばすことも可能です。

セラミック由来の高い耐久性

有機ポリマーのメンブレン(高分子膜)と比べて、耐薬品性、耐摩耗性に優れており、長寿命です。
上述の通り洗浄性も高く、繰り返し何度も使用できます。
また、耐酸性、耐アルカリ性にも優れ、pH2~10.5の範囲での使用が可能です。(CIP洗浄時(短時間)であれば、pH1まで可)


幅広いラインナップ

試験用のラボ機から生産スケールのマシンまで、幅広く取り揃えています。
2m2_machine
2m2 5m2 15m2×2台
安全でコンタミレスなクローズドシステム

ろ過室は完全密閉構造であり、珪藻土等のろ過助剤も必要としません。
そのため、処理液への異物混入が無く、安全でクリーンな作業環境を確保できます。
また、内圧>大気圧となりますので、空気(酸素)の混入による製品の酸化・変質・劣化も防げます。


使用例1


【材料】
 ・粉体:酸化チタン
 ・粒子径(d50):0.198μm
 ・溶媒:精製水
 ・濃度:2wt%
 ・仕込み量:7kg
【ろ過条件】
 ・目開き:5nm
 ・ディスク直径:φ152mm
 ・回転数:464rpm
 ・ろ過圧:0.1MPa
【ろ過速度】
graph
【ろ過後の状態】
liquid
ろ液   濃縮液

使用例2


【材料】
 ・粉体 :炭酸カルシウム
 ・粒子径 :約2.2μm
 ・溶媒 :精製水
 ・仕込み量 :39.2kg
【ろ過条件】
 ・目開き :7nm
 ・ディスク直径 :φ312mm
 ・回転数 :500rpm
 ・ろ過圧 :0.25MPa
graph






liquid
濃縮液

仕様


 ・装置仕様

型式 ろ過面積(m2 標準ディスク径(mm) ディスク枚数
CRD01V 0.1 152 3
NDCF2 2 312 16
NDCF5 5 374 27
NDCF10 10 374 54
NDCF15 15 374 80


セラミックフィルター(ディスク)の種類と構造

■種類 ■断面
Φ152、312、374mmを用意

フィルター孔径を選択することで、ご希望のろ過精度を維持することができます。ろ過終了後は、フィルターの逆洗浄や薬液洗浄が可能です。(但し、強アルカリ溶液には耐久性がありませんので、注意が必要です。)


メーカー 目開き 運転時最大pH
A社製 2um 0.8um 0.5um 0.2um 80nm 30nm - 5nm - 10.5
B社製 3~4um 1.1um 0.8um 0.4um 0.2um 0.1um 70nm 10nm 5nm 11.5


【ろ過速度の目安について】
 ろ過面積当たりのろ過速度は、通常約30~500 L/m2hです。
 但し、フィルターの目開きや、溶液の粘度、濃度、溶媒の種類等によって変化します。
 実際のろ過速度を確認する為、レンタルも可能なテスト機をご用意しております。
 ご興味がございましたら、下記お問い合わせよりお気軽にご相談ください。


カタログダウンロード


Catalogue セラミックロータリーフィルター 製品カタログ
Catalogue 防爆テスト機 カタログ

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